妊婦健診は、妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために行われるものです。健康に過ごし、安心して出産に臨めるよう、医師や助産師などの専門家と一緒に準備していきましょう。
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4分でわかる 「妊婦健診の検査編」
どこで、いつ受ける?
妊婦健診は、病院、診療所、助産所で受けられます。助産所で出産する予定の方は、助産師と相談の上、病院または診療所でも妊婦健診を受けておきましょう。
妊婦健診のタイミング・頻度としては、妊娠初期から妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは週1回の受診が推奨されています。
検査の内容は?
妊娠週数に応じた問診・診察に加えて、妊婦さんの体調や赤ちゃんの成長を確認するために、体重や血圧の測定などの基本的な検査が行われます。
また、血液検査、超音波検査などの医学的検査も行われます。医学的検査の内容は、医療機関の方針や、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態に基づく担当医の判断によって異なります。
厚生労働省では、14回分の妊婦健診として、下記のようなスケジュールや検査内容を例示しています。
図:標準的な妊婦健診の例
医学的検査のポイント
超音波検査
おなかの上や、膣内から超音波をあてることで、子宮の中の様子を画像で見ることができます。妊娠初期には、赤ちゃんの大きさから妊娠週数を推定することができます。その後の時期には、赤ちゃんの発育状態や、胎盤の位置、羊水量などがわかります。
血液検査
血液型 | ABO血液型とRh血液型、不規則抗体の有無がわかります。輸血が必要になるときや、まれに起こる赤ちゃんとの血液型不適合の場合に備えることができます。 |
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血算 | 貧血の有無や、血小板数などがわかります。貧血は出産時の出血に備えるためにも改善しておく必要があります。 |
血糖 | 高血糖状態が続くと妊婦さんと赤ちゃんの両方に影響が生じます。血糖値によっては、生活改善や治療が必要になります。 |
感染症 | 赤ちゃんに感染して影響が及ぶことを防ぐため、妊娠初期には、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒、風疹ウイルスの感染有無を調べます。妊娠30週までには、ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)の感染有無を調べます |
赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、まれに乳児期に重い肝炎を起こすことがあります。将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることもあります。
赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることもあります。
赤ちゃんに感染して、進行するとエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症します。
赤ちゃんの神経や骨などに 異常をきたす先天梅毒を起こすことがあります。
お母さんが妊娠中に初めて風疹ウイルスに感染した場合、赤ちゃんに胎内感染して、聴力障害、視力障害、先天性心疾患などの症状(先天性風疹症候群)を起こすことがあります。
赤ちゃんに感染しても多くは無症状です。一部の人が、 ATL(白血病の一種、中高年以降)やHAM(神経疾患)を発症します。
その他感染症の検査
出産時に産道から赤ちゃんに感染することがあるため、性器クラミジア、B群溶血性レンサ球菌(GBS)も標準的な妊婦健診の検査項目に含まれています。性器クラミジアは、子宮の入り口の細胞を、GBSは、腟の入り口付近と肛門の周囲の細胞を採って調べます。
また、標準的な妊婦健診の検査項目ではありませんが、トキソプラズマ症やサイトメガロウイルス感染症、麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)も妊娠中に注意したい感染症です。すべての妊婦さんが一律に受ける必要はない検査のため、公費負担の対象になっていませんが、医師より説明を受け、検査を受けるかどうかご判断ください。
赤ちゃんに肺炎、髄膜炎、敗血症などの重症感染症を起こすことがあります。
赤ちゃんに結膜炎や肺炎を起こすことがあります。
子宮頸がん検診
妊娠初期に、子宮頚部の細胞を採って調べます。もしもがんが見つかったときには、治療をいつ始めるか検討することになります。がんの進行状態により、経過をみながら出産を迎えられる場合もありますが、妊娠の継続が難しい場合もあります。
出産後には、お母さんの健康状態と赤ちゃんの発育状態を確認するため、産後2週間・産後1ヶ月の産後健診を受けましょう。医療機関により、産後1ヶ月健診のみを実施している場合があります。
無事に出産を迎え、育児をしていくには、からだだけでなく心の健康も重要です。多くの医療機関では、妊娠中や出産後にメンタルヘルスチェックが受けられます。出産後は今までの生活とは違い、赤ちゃん中心の生活が待っています。孤独感や不安を感じやすくなる場合もありますので、心配ごとがあれば、担当医や助産師などの医療スタッフに気軽に相談しましょう。